お姫様になりたい気持ちがなくなった

割とつい最近までお姫様になりたいと思っていた。

お姫様みたいに扱われて、愛される。

そんな存在になりたいと思っていた。

恋愛でもそれ以外でも。

実際にそう扱ってくれる人もいた。

とても嬉しかった。

でも最近、自分と向き合う中で「お姫様」はわたしではないと思うようになった。

わたしは自分のことを勘違いしていたんだと気づいた。

28歳後半で。

 

わたしは双極性障害で、自分のことがわからないというのが長年の悩みだった。

元気なときの自分が本来の自分であると思っていた。

正直、自分が今躁状態なのか、鬱状態なのか自分ではわからないから、あえて「元気なとき」って書いたけど、多分そのときは躁のときだったんだと思う。

あの状態の自分を本来の自分だと思わない方がいいんだと気づいた。

割とニュートラルな時でさえそっちに寄らせてしまう。

それでまた躁に突入、みたいなことが起こっていたように思う。

当然その次には鬱が来る。

この病気を個性だと思ってはいけないんだ。

波の幅が小さくなるように心がけないといけない。

診断されて8年くらい経ったのに気付けなかった。

でも気づいてよかった。

あと今度発達障害の検査を受けに行く。

多分ASDだと思う。

「おとなの自閉スペクトラム」という本の中に『ASと双極II型障害―症状論・支援論』というタイトルのページがあり、ここでは双極性障害だけの人と、双極性障害でありアスペルガーでもある人の特徴についてまとめられている箇所があり、とても自分の特徴が当てはまっていた。

だからとりあえず行ってみようと思っている。

発達障害といえばADHDで、それには当てはまらないから違うと思っていたけど、ASDの項目はほとんど当てはまっていた。

アスペルガーについて調べる中で、みんな自分みたいに人生が大変じゃないんだということを知った。

そういえば昔もみんな自殺したいと思っているもんだと思っていたことを思い出した。

 

最近人生ではじめてというくらい一日穏やかな日があった。

2025年10月15日。

多分ずっとこれが欲しかったんだと思う。

今はまた少し下がっちゃって体がきついけど。

自分のことを理解する時間にしている。

 

本来の自分は穏やかで優しい人間なんだということ。

静かで孤独を好み、ゆったりとした生活を送りたい人間なんだということ。

表には出さないけど、心の中は青く燃え上がっているということ。

何度でも立ち上がり、生きることを諦めない強い人間であるということ。

傷が癒えなくても、また誰かを心から愛したいと思えること。

みんなが理想とするものは、ほとんど自分の理想とは当てはまらない。

お姫様になりたかったのは、みんなが思っているから。

幸せそうに見られたい気持ちがあったから。

自覚がなかったけどそうだと思う。

年上の大人な包容力のある男性、引っ張ってくれる男性が合ってると思うといわれたこともあったけど、違う。

昔は恋人みたいな恋人になりたかった。

だからそういう人と付き合ってたけど、本来のわたしには合わないのだと気付けた。

もっと友達みたいな、幼馴染みたいな、兄弟みたいな、表現が難しいけど、目にわかるような情熱的な関係とか姫とプリンスとかそういうのじゃなくて、揺れる柳みたいな関係。

お互いの心の中は青く燃えていても周りには見えなくていい。

無理しない関係。

躁にならない関係。

言葉なんかいらなくて、ただそばにいればいいっていう関係。

 

昔、とても小さい頃。

多分小学校に入学する前。

ある男の子と二人でよく遊んでいた。

顔も名前も覚えてない。

何をしてたかは覚えてないけど、小さい子がする普通の遊びをしてたと思う。

虫取りとかかな。

彼は引っ越しでどこかに行っちゃった。

そのとき悲しかったのを覚えてる。

それだけ覚えてる。

でもそういう関係な気がする。

大人になって分からなくなった、大切なものをまだ持っていたときの純粋な関係。

そういう関係を築きたいんだと思った。

わたしはお姫様じゃないんだ。

あのときのわたしになりたい、思い出したい。

告白もプロポーズも自分からしてもいいと思う。

結婚式とかもしなくていいと思う。

どうしていつも告白されるのを待っていたんだろう。

どうして結婚式を想像する度に苦痛な気持ちが芽生えるのにやりたいと思っていたんだろう。

音楽活動をしているから、一時期はTikTokをしてたから注目されるのが好きだと思われていると思うけど、プライベートのインスタは友達のストーリーを見るためにしか開かない。

自分の制作物、作品を観てもらいたい気持ちはあるけど、結婚式とか胸が苦しくなる。

でもなぜか憧れていた。

お姫様になりたかったから。

幸せだと思われたかったから。

でもやりたい気持ちがないんだったらやらなくていいし、今アルバムをすべて自分プロデュースで作っているように、ウェディングフォトを相手と自分のプロデュースで制作したりすればいいんだと最近思った。

結婚はしたいんだ。

今は相手がいないけど。

普通にできると思うからその心配はしてない。

わたしの問題は躁鬱以外にもあるから、結婚は少し難しいのかもしれないけど。

 

自分だけの幸せがあるように、二人だけの幸せがある。

それは多くの人が幸せだと思うことじゃないかもしれないけど、二人の愛は二人だけが知っていればいいことで、見せたり、無理に認めてもらわなくてもいいと思う。

お姫様になりたいと思うのをやめて、自分を生きていこうと思う。

だからピンクもやめた。

ロイヤルブルーを身につけて生きる。

LAVIN AYAKO