これまで経験してきた「痛み」はすべて、いつかあなたを「愛する」ためのものだった。

毎日消えたくて消えたくて仕方がなかった時期があった。

その頃のわたしには想像できなかった。

今、わたしがここまで力強く生きれるようになるなんて。

 

苦しかった日々のことをどうやって言葉にしたらいいのかわからない。

でも死んでもし地獄に行ったらこの苦しみを感じるのだろうと思っていた。

誰かに何かをされたとか、お金がないとか、そういう理由はなかった。

ただただ生きていること自体が苦しくて、死にたかった。

原因があるとすれば躁鬱病だった。

なんでなったかは言いたくない。

 

いつからかリスカしていた。

そしてインターネットで楽に自殺する方法を調べていた。

苦しまずに死にたかった。

でも怖かった。

長い間崖の縁に立ってぼーっとしていた。

もう前に道はないし、どうすればいいのか分からなかった。

 

そんな日々をわたしはただ耐えた。

その中で誰もわたしを救えないと知った。

この事実に気づいたとき、絶望だった。

光なんてどこにもなかった。

 

そこから今、5年が経過した。

いろんなことがあったけど、あの日々を乗り越えられたと思う。

あるとき「生きる」と決めて、そこからゆっくりだけど良くなっていった。

奇跡だと思う。

なんでそんなこと思えたのか今だに分からない。

 

今は夢ができて、それを追いかけられるくらいにまでなった。

それは幸せなことだと思う。

でもわたしにはよく考えることがあった。

今までの経験は無駄だったんじゃないかって。

苦しかったあの時期はSNSも見れなかったし、自分のことしか考えれなかった。

でも回復してきてSNSや周りの人を見れるようになって、この世界には若くして夢を叶えている人がいっぱいいるんだと知った。

それが羨ましかった。

そのことについて考えるたびにわたしはものすごく辛くなってしまっていた。

 

あの日々があったから今のわたしがいるんだ、なんて言えなかった。

それはそうかもしれないけど、あまりにも苦しすぎた。

 

とりあえず過去の辛い経験が無駄でもいいって思うようにした。

いつか意味がわかるかもしれない。

それでいいんだって。

たとえ意味がなくても、それでいいんだって自分を納得させた。

 

でもある日、誰かに与えられたように気づいた。

「これまで経験してきた『痛み』はすべて、いつかあなたを『愛する』ためのものだった。」
って。

 

あなたっていうのはいつか出会う特定の誰かかもしれないけど、今は私を見つけてくれた人、これから出会う人だと思う。

こんな経験をしなくてもポジティブなメッセージを届けられる人たちはいっぱいいる。

でもわたしの過去乗り越えた経験は貴重で、わたしにしか与えられない言葉やエネルギーがあるんだって思えるようになった。

わたしは音楽を通して、聴いてくれる人に愛を届けたい。

 

痛みを知ってるからこそ届けられる愛があると思う。

わたしは傷が癒えなくても、誰かを愛したい。

失ったものなんてひとつもなくて、すべて与えられたんだってそう思えるから。

 

2024年12月30日

LAVIN AYAKO