あなたをずっと待っていたよ
彼は夢を見た
とても幸せな夢
薄い雲が伸びる空に眩しい太陽
黄色のお花がたくさん咲いている場所
彼はその花畑のなかを歩いていた
ずっと何かを探していたような気がする
でも忘れてしまった
深呼吸してみた
体の力を緩めようとすると
右手で何かを強く掴んでいることに気づいた
花びらだった
ずっと手放せなかったもの
ふいに心地よい風が吹いた
彼は手を緩めてみた
怖かった
でもなんだかもう大丈夫な気がした
彼は手を離してみた
花びらは風に運ばれて遠くまで飛んでいった
しばらく歩くと先の方に誰かを見つけた
女性だった
彼女は彼を見つけてそっと立ち
彼の元へ走りだした
青いドレスを着ていた
僕はずっと探していたものを思い出した
2025年1月16日